秀逸装丁デザイン絵本!祖父江慎さんデザイン『年をとった鰐』

 

装幀デザインが気に入った。

 

ただ勢いでジャケ買いした多くの絵本の中の一冊

『年をとった鰐 The Old Crocodile』

原作・原画:レオポルド・ショヴォー

原訳:出口裕弘

絵と文:山村浩二

 

運命に身を委ね

ジャケ買いの賭けに勝った

成功例のひとつだ。

 

 

 

 

 

 

ジャケ買いに勝つ

 

そんな幸運をつかんだことは

じつはほとんど無いと言っていい。

 

CD、レコードでもよくある『ジャケ買い』。

もちろん良いときもあるのだけれど

思い返してみると

あまり勝った記憶がないんだよなぁ。

運が悪いのか?

デザインにこだわりすぎているのか?

実際、よくわからないが

なかなか勝てない。

 

お話の内容、お薦めも、口コミ

一切無視。

ジャケットデザインの好感度だけで

勢いに頼って購入するんだものね。

宝くじを買うようなものだろうか。

まぁそりゃ当てる方がむずかしいだろう。

 

 

 

運命に身を委ねる楽しみ

 

 

これ、ぼくは映画を選ぶときでも

よくやる手法で

自分の価値観に縛られず

偶然の出会いによる“運命”を楽しんでいる。

 

だがある意味、運命に身を委ねてしまって

責任からのがれている部分もあるのだろうか。

 

お金を払ったものに対して

成功しようが失敗しようが

お話を気に入ろうが気に入るまいが

美味しかろうが美味しくなかろうが

そんな判断をするのは自由だけれど

基本、運に身を委ねて出航した航海だ。

沈没したら

地図も持たず船も選ばず

荒波の海に出た自分が悪い。

 

なので本や作者に

個人的な批評をぶつけるのは

筋違いである。

運命をゆだねるというのはそういうことだろう。

嵐が来たら沈む。

目的地に着かなければ

さまよい続ける。

 

 

だが、この本はまさに乗るべき船に乗り

行きたい場所に辿り着いた。

 

責任から逃れようとしているのではない。

スペクタクルな冒険を楽しんでいたのだ。

 

 

 

装幀は祖父江さん

 

 

言わずもがな、後で知ったことだが

装幀デザインはcozfish祖父江慎さんだった。

これだけでも当たり感が半端ない。

異色な雰囲気を作り出すのが

本当に巧いなぁ。

 

 

レジに持って行ったのは

もうほんとフィーリングだけだ。

この一冊だけ。

なにかのデザインの参考にするわけでも

子どもたちにおすすめするためでもなく

ただ何かを感じ取った。

そう即決させるだけの説得力あるデザインだった。

 

目で見、そして手に取っただけで感じる

「これは絶対なにかあるぞ」

という畏怖に似た感情。

 

どきどきしていた。

はやく帰りたかった。

 

ざらついた肌触りと色の重厚さ。

絵、フォント、ページネーション

すみずみまでのあしらいをもって

この絵本の内容や

行間にある言葉を

すべて表現しきっている。

 

 

目的地は人それぞれ

 

本、絵本、映画

いろんな創作物に言えるけど

読み手に答えを想像させる

余地を残して終わる作品が

数多く存在する。

 

この絵本もそひとつだと思う。

 

さきほど

「内容を表現しきっている」

なとど言ってはいるが

ほんとうにこの絵本の内容を

作者の真意をくみ取れているとは

とうてい思えない、し

それでいいと思っている。

 

行きたい場所は人それぞれでいいだろう。

 

 

 

身を委ねあい完成する

 

 

答えを想像する余地を残している

そういった意味で

この絵本の感想は

10人が10人違ってくるのだろう。

 

 

このブログで

ふじぴー家に数ある絵本をこれからも

紹介していこうと思っているのだけれど

内容を説明するようなことはなるべくしないつもり。

でも少しだけふれさせていただくと

この絵本は

“命”というものをかなり極端に描いている。

原作者のレオポルド・ショヴォー氏は

もともとはお医者さんでり軍医も経験しており

もしかしたら命の概念について

一般の人間とは

ちがう感覚を持ち得ている可能性があると感じた。

 

しかも原作者はそれを自覚したうえで

命、人間というものに対しての

各読者の価値観に身を委ねている部分も

あるのではないだろうか。

 

 

共感し、委ねあってひとつの世界が完成する。

クリエイティブの核心的な部分を

考えさせてもらった一冊だった。

 

 

 

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